2022年1月11日火曜日

山に登りながら考えた(3):放牧

 日本では阿蘇や北海道などの一部を除きほとんど見られませんが
世界中で放牧が行われています。

家畜には、
長期保存可能な食料・毛皮・毛・乳・荷役・農耕・ペット・財産等々
多目的に飼育されています。
過去の登山でも荷役の為、ヤクやラバのお世話になった事もあります。
なので、トレッキング道も何処かおしっこ臭い所も多く
油断をすると「うんこ」を踏んじゃいます。

フランス モンブランに行った時の感想ですが
山の中腹でヤギや羊が放牧され
その下に森が有り、
その下に村(民家)がありました。
今は水道が有るので問題は少ないのでしょうが
こんな上下構造(飼い方)では、
村人は山から流れて来る家畜の「うんこ水」を飲んでいる様な気がして成りませんでした。
実は、
カレンダーの写真で見る様な綺麗に見えている牧草地でも、
うんこだらけなんですよ。

ネパールでは、4000m付近の高所でしか生きていけない
ヤクと言う牛を飼育・放牧しています。
高所は空気が乾燥しているのでうんこも直ぐ乾燥していきます。
乾燥したうんこは、集めて燃料として使います。
シェルパに聞くと
この燃料を現地語で「まき」と発音するそうです。
日本語でも木が燃料になると「まき」になります。
シェルパ達の言語と文法も近いし、何か繋がっている感じがします。

ネパールはヒンズー教徒が多いので、牛は神の使いとし大切にします。
日本でも赤べこや長野の善光寺や群馬小諸の釈尊寺でも牛を大切にします。
20年前にはカトマンズにも野良牛が沢山いましたが
流石に今は少なく成りました。
でも牛を身近に置くと、
ペストに掛かりにくくなるとも言われているので
何か関係が有るのでしょうか?

また、ネパールでは水牛は牛では無いそうです。
水牛は農耕用に使われています。
その後の、有効な後利用法の屁理屈なんでしょうか?
BUFF肉として食用にしています。

日本で放牧が余りみられないのは、四つ足物を食べないと言う
古くからの宗教感が生活に根付いていた事も大きい感じがします。
一神教的には、家畜は神様からの贈り物でした。
しかし、
この贈り物には伝染病と言う「大きなおまけ付」でした。
はしか・疱瘡・狂犬病・コレラ・ペスト・インフルエンザ等々
人類への脅威が送り込まれてきました。
人類は「祈る」しか治療法が無く、
効き目を求めて新しい神々や仏が生まれて来ました。
やはり家畜と言えども節度を持って付き合って行くべきなんでしょう!!

今後の人類の生き方としても
肉の生産エネルギー効率を考えると
適度に肉食を減らす方が良い様ですが
やっぱり、
肉は旨いです!!
ネパール アンナプルナの北側 チュルー峰登山前の高所順応日
 標高4500m付近 野生の鹿の群れに遭遇
四つ足動物が斜面に踏ん張って立つと
斜面に横縞な足跡列が出来ます。
大きな規模の放牧では、山の風景が何処か横縞に見えます。


ネパール ランタン谷 ヤラピーク登頂後のヤクの放牧場 標高4200m付近

0 件のコメント:

コメントを投稿