登山とお金の価値は一見無関係の様に思えるが
実は、海外登山などを通じて実感する場面は多いです。
1987年タンザニア キリマンジャロ 初めての海外登山です。
現地のタバコ1箱が600円ほどした記憶があります。
その時のポーターの日当が600円/日程度でした。
だから、
彼らは私達が吸ったタバコの吸い殻を集めて喫煙していました。
1990年崩壊前のソ連 モスクワ経由でキルギスタン パミール高原遠征では、
入国審査をスムーズに進める為に
タバコのケント1箱を検査員に渡すとスムーズに進行出来ました。
闇両替・キャビア缶などの高級品の横流しが普通に行われていた。
街角での闇両替が終わると、
円札を持った人が次々にパスして行くチームプレーは見事でした。
この闇流通で価値が数倍変わってしまいます。
もう、うる覚えですが
公には1ルーブル230円が、闇世界では30~40円だったと思う。
だから、喫茶店のコーヒーを10円程度で飲んだ気がします。
テレビによく映るモスクワ「赤の広場」前のスーパーに
野菜など何も品物が何も無かったのも衝撃的でした。
1995年フランス シャモニで一ケ月ほどキャンプ場生活しました。
この時は凄い円高の時で
1ドル 85円位でとてもお得な山旅でした。
シャモニでは、ほぼ自炊生活しました。野菜なども安く、酒飲み天国、
瓶ビール1ℓやワイン1瓶が百数十円程だったのが
アルミ缶製品は行き成り300円位になり
リサイクル政策意図によって価格を変えている事を強く感じました。
遠征終盤の1週間はスイスの山に行きましたが
行き成りのとんでもない物価高!
食堂で簡単なランチを食べても3000円位だったかな。
貧乏登山家にはきつい一撃です。
早々にシャモニに逃げ帰りました。
1998年アラスカ マッキンリー。
今は現地を尊重して現地名のデナリですね!!
日本も西洋人が勝手に付けてた名前「JAPAN」では無く、
日本に住む日本人が普通に発音する「NIPPON」が良い(正当)と考えます。
外国人に「漢字で書け!」までは言いませんが、
みんなで、世界に向けて改名宣言しましょう!!
アラスカは寒い所なので農作物の輸入品が多く
非常に物価が高かった記憶が有ります。
スイスも山国で食料の輸入が多いので物価が高くなりがちです。
日本も「安かろう。良かろう。」だけでの食料輸入には注意したいですね!
2000年ネパール アンナプルナI遠征。
この登山は、結果的には現地で空中分解して終了しましたが
私の人生に於いて、非常に価値のある体験でした。
75日間の休職取得。子供はまだ義務教育中。奥さんは専業主婦。
隊員10人に対して1人の死亡率はヒマラヤ登山トップクラス。
普通の価値観を持った社会人には理解出来ない選択です。
家族を守る為、
将来の安定の為に
我慢・辛抱が必要なのも分かります。
自分の心を「死なす」のでは無く「活かす」為の選択です。
「死んだら後免!!」と言って家を出ました。
今に成って振り返れば
その時の決断の良否・善悪・可否・経済(貧乏)の判断の価値が分かりますが
その当時は知る術は有りません。
これが人生なんですね!
この時期のネパールは世界で最も貧しい国に属する所でした。
6000ルピーで10000円程度です。
ポーターの日当は1000円/日程度です。
当時のシェルパさんに首都カトマンズで家族4名が生活するのに
ひと月で幾ら必要ですか?
と尋ねました。
彼の回答は「10000円位!」との回答でした。
生活レベルの基本的な違いは有りますが、日本では絶対生活出来ない回答です。
何故
等価にするための換金率(為替)で価値評価しても
生活が出来る/出来ない までの差があるのでしょうか!
何を基準に為替が決まるのでしょうか?
例えば
ジャガイモ1kgの価格は日本とネパールでは何十倍も違います。
ジャガイモ1kgを作るのに必要な時間は手作業の多いネパールの方が必要です。
ジャガイモ1kgを食べて生きる事が可能な時間はネパールも先進国も変わりません。
だけど、
国・会社など、その人の属性によって
ジャガイモ人生の重みに差が大きく出来るのです。
(ジャガイモ人生の重み)=(ジャガイモを作る時間)/ (農家の人生時間)
遠征が空中分解してから、メンバー3名でトレッキングピークを登りに行きました。
その時、雇ったポーター2名は自分の息子と同歳でした。
彼らに一人30kg近い荷物を運んでもらいました。
自分は、こんな登山をしていて良いのか???
心が痛みました!!
他にも書きたい事は有るけど、今日はここまで。
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