2021年7月16日金曜日

右肺腺癌 からの復活記(4):入院(1回目) 手術後の夢:生命の大河

 後から聞いた事だが、術後しばらく
私の右肺は無気肺状態でほとんど機能していなかった様です。
手術が終わって病室に戻ったところで麻酔が覚め、
意識は正常に戻って普通に会話も出来ましたが
酸素マスクを着け、意識して呼吸しないと息苦しい状態でした。
人の肺は右側が上・中・下の3気室。左は上・下の2気室。
手術で右上葉が無くなり、おまけに中葉・下葉も機能不全。
一生懸命呼吸するとSPO2(血中酸素)は上昇しますがまだ苦しい。
過呼吸なのか自分でもバランス点が分からない状態でした。
息苦しさとSPO2は比例しないのです。
回答を導き出すのは、とにかくゆっくり大きく深く呼吸する事です。
その環境に於いて、最小限になるベストな呼吸数を探し出す。
これが、私がマラソンと高所登山で得た答えです。
呼吸数は心拍数にも影響を与えます。
心拍数は人の心にも影響を与えます。

点滴が抗生物質に変わるとまた息苦しさが増した感じがしましたが
意識を呼吸に集中している内に
何時しか寝てしまいました。
そんな中で変わった夢を見ました。

私は天空に開いた窓の様な所から中を覗いて居ました。
中の様子は
曇り空の下に大河が流れていて
流線形の様な、流れる様な、薄く光る肌色の物体の集合帯が
うごめきながら絡まりながら流れているんです。
私は、何なんだろう?
と思い、恐る恐る、近くに行ってみたいと思うと
その思いに合わせて私の意識が近づいて行くのです。
恐る恐る近づいて行くと
薄く光る肌色の物体が何なのか見えて来ました。
それは、人や犬やキリンや色々な生物達だったのです。
それらが
うごめきながら絡まりながら流れているんです。

そこまで分かった瞬間、
私は現実に戻っていました。
口から酸素マスクが外れ
苦しい息の中、必死にマスクを探していました。
この時以外、もう2度とこんな夢を見て居ません。
あの、「生命の大河」の夢はいったい何処から来たのだろう?

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